2024年洋楽FESTIVE20大発表ーーーーーーーーーーーーーー!!

2025年1月1日洋楽年間レビュー

遂に今年2024年もこの時が!!!

かれこれこのブログでもずーーーーーーーーーっと発表し続けていた

僕が心の底から尊敬しているUKのレジェンドDJ JOHN PEEL先生が
その年を代表するポップアンセムをランキングしていた「festive fifty」

へのオマージュとして日本で最もDEEPなその年の洋楽作品のYEAR ENDLISTとして行ってきた洋楽FESTIVE20!!!

2024年という年がポップミュージックにとってどんな年だったのか?を今年も総括させていただきます!

なぜか誰も言わないけど2024年とは「アルバム」というフォーマットが奇跡の復活をした年でした!!

このポストでも先行で言いましたけど

ほんと心の底からこの途轍もない「洋楽シンギュラリティ」のような
革命的な変化に日本の、っていうか海外のメディアもだけど誰一人として言及していないのが
凄く不思議ですが

この10年以上のポップミュージック史において2024年という年が
とんでもなく奇跡的な一年だったのは

ほぼフォーマットとして「死に体」だった

アルバム

という表現フォーマットが突如として完全に復活したことなんですよ!!!!

ん????それがどういう意味を持つの?かもですが

ポップミュージックの歴史においてその歴史的転換点となったのは
1960年代のTHE BEATLESをオリジンとした

「新しいポップミュージックはシングル曲的3分のフォーマットではなく
 アルバムという45分近くの時間軸を貫くテーマ性を持った連作によって表現されるべきだ」

というテーゼなんです

これがそれまでのポップミュージックとそこから生まれたロックミュージックの分岐点なんですが

所謂ストリーミング全盛期に入ってから、これは如実に「アルバム」というフォーマットは弱体化しつづけてきました

「アルバム」というフォーマットは「プレイリスト」というアーティスト以外がキュレーションするフォーマットとなり

これは大文字で書きますけど

アーティスト自身が自らのフィロソフィーのみで複数の曲をオーガナイズする
一曲だけではなく10曲近くを貫ぬくその強すぎる

欲望と希望

それは本当に歴史上ではこの瞬間とシンクロしてると思いますが

ジャンヌダルクがその絶望的戦いにおいて掲げた「旗」のような

聴き手に対して

「ボクのワタシの世界へ今すぐ飛び込め!!!」

という命がけの宣言

それが「アルバム」というポップフォーマットが持つ根源的意味だったわけです

でも近年のストリーミング時代においてそんなジャンヌ的、ドンキホーテ的

狂った「アルバム」思想

は完全にシュリンクしてきました。

とととととととととところが!!

これは完全に妄想かもしれませんが、いや!!!でも僕自身が「コロナ禍」という未曽有の危機的事態への予感
(っていうのはこれを書いたのは2019年なので・・・)があったからこそ「無敵の人3.0」という長編脚本を書けたように

優れたポップアーティスト達もまたコロナ禍を受けて自らの「POPNESS」を更新・アップデートしたのだと思います。

その「コロナ以後」という世界に対しての試行錯誤がようやく!!ようやくこの2024年カタチになった

だからこそ今年2024年はアルバムという「ロックミュージック」のコアである表現フォーマットが完全に復活したのだと思います。

今年2024の選定を行うにあたって僕は号泣してしまったのは

「アルバム作品だけで20作品を選べるなんて!!!!!!」

という驚愕の事態でした。

それだけ2024年、今年は
ストリーミング・プレイリスト時代の先にある

新しい「ロックミュージック期」

が明らかに、明らかにその胎動をはじめている

そんな革命的な一年だったと僕はPOP中毒者として確信しています。

そんな新たな「洋楽アルバム時代」とは?

でこの2024年に鳴らされた優れたPOP ALBUMの音が
今後のポツプミュージックにおけるベーッシクストラクチャーとなると思うんでまとめておきます

ギターバンドフォーマットの復権

これは僕も驚いたんですが

日本でも話題になったけど今年洋楽関連で殊更言われていた

「バンド文化の終焉」

ですが

こういう形でとりあげられる時点でその兆候は未来についてではなかったりもしますが
今年驚いたのはギターバンドフォーマットのバンドのアルバムが完全に復活していること!!

この10年ぐらい「新しいポップミュージック」を生み出すフォーマットとしては
確かに死に体だったギターバンドが明らかに時代性を伴った新しいサウンドを生み出そうとしています

生成AIと新しいポップミュージック、その「編集力」の強度

下にあげる2024年最も優れたポップ作品に共通しているのは
間違いなく、今の生成AI時代における「編集力」に呼応した
情報処理のスピード感です

僕は一貫してずーーーーーっと「生成AI時代のポップネス」について語り
制作もしてきましたし

生成ai時代における「編集力」について超ーーーーーーーーーーーーロングテキストを書いてますが

やっぱりそれは正しかった!!!!!
2024年を代表するポップアルバムはほとんどの作品が
「生成ai」的成り立ちをしていると思います。

それは端的に言うと「スクリプト時代」から「プロンプト時代」へという
大革命のサウンドトラックであるし

逆に言うとそういう完全に時代のジンギュラリティー的な転換点に僕等は生きている
ということが海外のミュージシャンには皮膚感覚として認識されているから
2024年という年がポップミュージック史における革命的転換点の年になったのだと思います

この見立ては日本はもちろん世界でも誰も言ってないんですけど
今後

「2024とは何だったのか??」

は確実にポップミュージック史におけるpivotとして語られる時
そーーーすね・・・・5年後ぐらいにはここで書いたことが
ようやく語られるようになると思います

というわけでDEEEEEEEPな2024年の洋楽考察まとめは終わりッッッ!!!

とにかく、もしキミがアナタが

「ロックミュージックとは何か」とか

「そのイヤホンから聞こえるサウンドとコトバが伝えようとしている革命の正体」とか

そして今再び、10-20年ぶりにポップミュージックが

「新たな時代へ、新しいロックミュージック期」

へとメタモルフォーゼを始めている

そんな奇跡に触れたいと思うなら、以下の作品群を絶対に絶対に絶対に聴いてほしいと思います!!!

20作品のつもりが今年は凄いアルバムが多すぎてアルバム22枚とプラス一作品となってしまいました!!

性格良し子ちゃん(ターボ向後)によるFESTIVE20、2024年洋楽ベスト作品リスト

2024FESTIVE20番外編 Reeve Stimpson – Over Me

この人について言及してる日本人は僕だけ(泣)なわけですが

以前のレビュー

何度聴いても&MV見てもReeve Stimpsonの大滝詠一師匠バリのポップオブセッションは凄いと思います。
来年もリリースして欲しいーーーーー

22. Proxima Parade「Into the Way」

完全に1974年の音なのに2024年のサウンドになってる・・・ポップミュージックの魔法によって構成された奇跡のアルバム

21. Juanpalitoschinos「Natsukashii」

懐かしさ=ノスタルジーはポップミュージックにおける有効な武器の一つだけど、その純度を徹底的に突き詰めた驚愕アルバム

20. Ice Spice「Y2K!」

LL COOL Jを除くと今年唯一アルバムとして素晴らしかったHIPHOP作品!! とにかくトラックにおける低音の立たせ方が狂ってて
そこへ超ーーードライなまんまの彼女のボーカルが乗った時の気持ちよさ。サウンド面を担ったのはベテラン マイクディーン

19. Chastity「Chastity」

ドストレートなY2K期のEMOCOREなのにアルバム一枚一気に駆け抜けてしまう必聴のデビューアルバム

18. Peter Cat Recording Co 「Beta」

フレーミングリッブスが世界中そして歴史上の全てのラウンジミユージックをかき鳴らして真空パックしたような
ノスタルジーこそが優しくそして暴力的というポップネスにおける両義性のコアであることを証明した大大大傑作アルバムです

17. jigitz 「don’t come back」

アルバム一枚通しての編集力がとんでもないコンセプトエレクトロアルバムなんて何年振りだろう!!

16. Jessica Pratt 「Here in the Pitch」

遂に彼女は僕等の時代のマリアンヌフェイスフルになってしまった!!

15. We Hate You Please Die 「Chamber Songs」

2024年におけるギターバンドルネッサンスを代表する屈指のパンクアルバム

14. Babymorocco「Amour」

絶対に作ってくれる!と彼のデビュー以来思ってた傑作デビューアルバムが遂に!!!!!! 正に性と生と聖のクロスロードから高らかに鳴らされる
セクシャルディスコアルバム

13. Mannequin Pussy「I Got Heaven」

これまでの作品と全く違うバンドになってしまったのはアルバムのジャケ写からも明らかな完全に化けた大傑作!
怒りと悲しみという二線の感情の濁流に吞み込まれる刹那の悲鳴のような恍惚の喘ぎのような不穏なこの「声」を
ロックミュージックと呼ぶのだと思います

12. Mk.gee「Two Star & The Dream Police」

アルバムタイトルから完璧!遂に現れた2020年代のジェフ・バックリィ。
僕等にとってのゴスペルとは神への祝福とともにその不在に対する最後通牒でもある。
そんな祈りと呪詛がこんががった文字通り「神がかった」デビューアルバムです!!

11. LL COOL J「THE FORCE」

KING IS BACK 11年ぶりの新作っていう意味と並んで、何が凄すぎるってQTIP先生によるアルバム全体のトラック!!!
OLD SCHOOLの二人による作品が2024年最も優れたHIPHOP作品になってしまっているっていうのは
僕が「嫌な予感」としてこの2-3年感じている、ポップミュージック史におけるHIPHOP時代の終焉を
逆説的に証明しつつあるのかもしれないです

10. Tiffany Day「LOVER TOFU FRUIT」

アルバム全曲が「ガールポップマジック」で埋め尽くされた実は超絶テクニカルな傑作デビューアルバム!!
日本の女性アイドルグループは今すぐ彼女に曲を発注すべきなんだけど
地獄のような"KAWAII"ブームじゃ絶対にそんなことしないよねー・・・・・・

9. BLACKSTARKIDS「SOULMATEZ!」

これまでの作品は「どうHIPHOPから逃げ切るか?」だったけど
遂に遂に遂にアルバム丸ごとポップ路線へと完全シフトしてしまった超ーーーーーーーーーーーーーーー傑作!!!

8. Lola Young「This Wasn’t Meant for You Anyway」

Dusty Springfield、Average White Band、 ノーザンソウル、Simply Red、スタイルカウンシル、そしてAmy Winehouse
1960年代から続くUKソウルの歴史を全部詰め込んだ凄すぎるアルバム!!

7. Wishy 「Triple Seven」

1970年代のRaspberriesなバブルガムギターポップからY2K期のパワーポップ、そしてシューゲイズまで
50年近いギターポップの歴史全てを「ホントウに」全部やってみせて
アルバム全曲見事なことに捨て曲無しという恐ろしいほど完璧すぎるギターバンドアルバム
もし明日からギターバンドをやりたい!!と思うならこの一枚を聴けば
そのフォーマットでの楽曲構成の作り方が全部わかるし、ここから先10年のギターポップサウンドの
いわゆる「リファレンスディスク」になるとんでもないアルバムなのに全然ちゃんとした日本語レビューないんですよねー・・・

6. TV GIRL & GEORGE CLANTON「FAUXLLENNIUM」

生成AI化した「MADCHESTER」っていう2024年を象徴するポップマナー!!!

5. The Blessed Madonna「Godspeed」

これも生成AI的ミュータントポップ系ド傑作アルバムでした

4. Malcolm Todd「Sweet Boy」

このアルバムの途轍もないPOPNESSについては上のポストの通りですが
遂にMac DeMarcoばりの天才が現れたのに日本の洋楽関連で全く言及されてないのは
今の日本の洋楽状況を如実に表しちゃってるなぁ・・・・と思います

3. Magdalena Bay「Imaginal Disk」

これまでの"INDIE DARLIN"なキッチュで箱庭的世界観から完全に抜け出して
本気で1980年代のような王道ポップミュージックを鳴らそうという狂ったFEVERが全曲から溢れまくる大傑作アルバム

で2024年が「アルバム」といいうフォーマットの復活であったことを証明するように、この作品が1970年代的
コンセプトアルバムの手法で作られたことをインタビューで明言しています

2. Charli xcx「BRAT」

僕は2013年から彼女の新曲情報をお伝えしてきてましたが

遂に遂にその年のPOPNESSを代表する彼女自身の、そしてポップミュージック史における途轍もない傑作を作ってしまった(号泣)!!!

大統領選と絡めて2024年最も「社会性」を帯びたアルバムだった事もそうだけど
それ以上に「REMIX全盛期のエレクトロクラッシュ」をコンセプトにすることで
完全に生成AI=REMIXという構造が今後のPOP MUSICのコアになることを高らかに宣言してくれた事に感謝します!!

1. The Dare 「What’s Wrong With New York?」

このアルバムの本質は日本の、いや世界中のどんなレビューよりも的確にこのポストに書きましたので是非お読みください。
POP MUSIC史に打ち立てられた金字塔のような歴史的アルバムなんですが、リリース時の賛否両論っぷりが
BEASTIE BOYSの「PAUL’S BOUTIQUE」と全く同じで、つまりこのアルバムも10年ぐらい経たないとその革命性が伝わらないんだろうなぁ

日本最大の洋楽PLAYLISTそして2024年ご紹介した洋楽486曲を網羅したPLAYLISTはコチラです

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もう本当にアルバムだけで年間チャートが埋まってしまうなんて
洋楽に於いてはもう10年以上、いやもっと長い間なかったわけで
こうやって記録してみて改めて2024年という年がポップミュージックの歴史的転換点だったってことが
よくわかります。

今年2024年のポップミュージックを振り返った時の、この生成AI的な

「暴力的な編集力」

をポップへと落とし込んだ感じ、それは何度も言ってるように
1988-1992年ぐらいの「SECOND SUMMER OF LOVE」「MADCHESTER」期の
REMIXムーブメントと同じであるとと同時に、紹介した22枚のアルバムを
全部聴きなおして、何故かポーン!!と思い浮かんだのがこの曲でした

あーーーーなるほどね!!!
生成AIであらゆるサウンドとコトバの時制がグチャグチャに、GODSPEEDに
MIXすることができるようになって、ポップミュージックはようやく
今の世界に蔓延る暴力性と同じ、いやもっと早いもっと強い暴力性を手に入れる事が可能になったんだと思います。

この曲は、一見するとブラジルのカーニバルの熱気を取り込んだリズムの上に、悪魔が紳士然と自己紹介をする物語だ。
しかし、悪魔の笑みの裏に隠されているのは、血まみれの歴史の中で繰り返される人間の愚かさであり、
曲はそれをサンバのようなリズムで装飾する。この捻れた感覚こそが「Sympathy for the Devil」を特別なものにしている。

曲はリズムとテンポにより徐々にそのエネルギーを高める。
コンガとマラカスのパルスは、まるで遠くの戦場から聞こえてくる太鼓の音のようだ。
だが、その背後にはミック・ジャガーの滑らかな声が漂い、彼はリスナーを物語の中心へと引き込む
。「Guess my name」と何度も語りかけるその声は、問いかけというよりも挑戦だ。
それは、世界を理解したと信じ込んでいるすべての者への挑発である。

歌詞において悪魔は、歴史の決定的な瞬間に現れる。
十字軍、十月革命、ナチスの台頭、ケネディ暗殺――これらはすべて悪魔が背後で糸を引いたと語られる。
だが、ここでの悪魔は単なる象徴であり、真に問われているのは私たち自身の行動だ。
ジャガーはこの曲を通して、悪魔は実際には私たち自身の中に存在するという恐ろしい真実を示唆する。

「Pleased to meet you」というフレーズは皮肉で満たされている。
それは、真実を受け入れる準備ができていない者たちへの冷笑であり、
歴史の中で正義と悪を簡単に分けようとする愚かさへの批判である。

皆さま2025年、良いお年をーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

2025年1月1日

Posted by nolongerhuman