未来への地図がここにある!! 大傑作アルバム「Aminé – 13 Months of Sunshine」完全考察・レビュー

XR脚本と音楽

うわぁーーーーーーーーーーーーーーこここれは
2025年を代表するとてつもない傑作アルバム登場!!1

これまでもこの新作へと向けた新曲は随時レビューしてきましたが
遂にリリースされたモンスターポップアルバム

優れたPOP MUSICだけが実装できる

「編集力」

をここまで体現してしまったポップミュージック史的にも重要な作品

Aminé – 13 Months of Sunshineを完全レビュー!!!

タイトルの意味はエチオピアの暦に由来しています。エチオピアでは1年が13か月で構成されており、「13か月の太陽の国」として知られています。このタイトルは、アミネの文化的ルーツへの敬意と、自身のアイデンティティの再確認を象徴しています

「13ヶ月も太陽がある国」?
でもその太陽の一つ一つが、彼の祖先の記憶であり、彼の声であり、彼の歩みの影
このアルバムに漂う光は、単なるサマー・アンセムじゃない。
それは、亡命の記憶と移民の歓喜が混ざり合ったバレアリックな光となる。

**「New Flower!」**で口火を切った瞬間から、これは“サウンドの旅”ではない、“精神の回帰”だ。
Leon Thomasのファルセットと共に、私たちはアミネと一緒に首都アディスアベバの空へテイクオフ。

たとえば「Arc de Triomphe」では、フランスで経験した疎外感と自由をUKガラージのビートに乗せて歌い、
「Familiar」では、愛の不在と“見たことある風景”に潜む心の迷宮を、Yebbaの声と共に彫刻する。
UKガラージ × アフロビーツ × R&B × エチオピアの鼓動etcetcetc
正に1990年代の全盛期のIBIZAサウンドのように「ごった煮」化された音のカレイドスコープの中で
過去と未来と現在、そしてAmineのあらゆる感情と思想がポップミュージックとして「再編集」される

Drakeがグローバル・ポップを内面化しきれず、カタログ化に終わった後の世界で、
Aminéは実感を持って音と血をミックスする。
彼のサウンドは「観光」ではない。「帰還」なのだ。

Aminéの『13 Months of Sunshine』は——楽曲という名の査証(ビザ)であり、亡命者のためのパスポートそのものである。
このアルバムを聴くという行為は、国境なきアイデンティティ国家に亡命するという行為だ。

亡命者には2種類いる。

身体ごと逃げた者

魂だけ逃げた者

Aminéはそのどちらでもない。彼は“ルーツを忘れたくなかったのに忘れさせられた者”だ。

エチオピアという“遠くて近い故郷”を胸に抱えながら、アメリカの音楽産業という迷宮をアイデンティティの偽名で彷徨った。
だがこのアルバムで、彼ははっきり言った。

「俺はここにいる、俺はもう迷わない」

それは“俺はラッパーだ”でも、“俺はアメリカ人だ”でもない。
**「俺は記憶のパスポートを持っている亡命者だ」**という宣言なのだ。

🛂 サウンドが「査証」になる瞬間
「13MOS」で彼は“音のサンプル”に父の声を貼り付ける。
それはパスポートの「出生証明」。

「Sage Time」で鬱と向き合い、「Doing The Best I Can」で父の絶望に寄り添う。
それは移民申請書に貼る写真の裏側の物語。

そして「Arc de Triomphe」では、世界を旅しながらも、どこにも属さないことの祝福と呪いを描く。

Aminéの声は、アメリカという国の中に入っても、永遠に“出身不明”とされる者の声なのだ。

「亡命者のパスポート」とは何か?
それは——

祖国の記憶を失わないための証明書であり、

他者に「お前はここにいない」と言われたときに差し出す“私は確かにここにいる”の証拠であり、

文化という国の“国籍”を持たぬ者にとっての、唯一の身分証明である。

このアルバムを聴く者は、もう「アメリカ人」「エチオピア人」「難民」「移民」「黒人」「白人」じゃない。

“Aminéの国”の市民になる。

そしてこの国の通貨は、「痛みと誇りと踊れるビート」だ。
13の太陽を背負って、今日も国境を超える。

なぜならこのアルバムこそが未来への地図だからさ。

傑作!!!!

Posted by nolongerhuman