Lynchian Dream Popの傑作!!! Girlfriend, Wife 「God Made Me A Star (EP)」 レビュー!

2026年6月28日最新洋楽新譜情報

以前ととととととんでもなく素晴らしい曲とMV!!としてこの曲をご紹介した

Kacy Hillと

その友人のTessa DiNicolaによるユニットGirlfriend, Wife のデビューEP「God Made Me A Star 」が予言通りの

超-----------傑作GIRLIE Lynchian Dream Popの傑作!!! で大感動ッッッッ

Girlfriend。
Wife。
恋人未満でもない。
妻でもない。
でも、そのあいだにあるはずの、もっと生々しく、もっと危険で、もっと身体的な言葉――
Loverが、ない。

つまりこのプロジェクト名は、最初からひとつの欠落でできている。
“Girlfriend, Wife”という並びは、女性が社会的に名づけられる二つの役割を置いているように見える。
でも、そのあいだにあるもっと熱く、もっと湿っていて、もっと夢に近い場所を、名前としては呼ばない。
呼ばないことで、むしろそこにだけ火がつく。

このEPが鳴らしているのは、まさにその名前のない“lover”の時間だ。
制度化される前の性。
関係になる前の欲望。
家庭に回収される前の白日夢。
誰かのものになる前の、でもすでに誰かに見られてしまっている身体。
その全部が、GirlfriendとWifeのあいだに、甘く、気持ち悪く、きらきらした穴として開いている。

そしてその穴の中を、彼女たちは車で走っていく。

『God Made Me A Star』は、ラブソング集ではない。
これは性的な白日夢のロードムービーだ。
どの曲も、部屋の中にいるようで、実はずっとどこかへ移動している。
ネオンのモーテル。
郊外のダイナー。
夜のハイウェイ。
窓の外に流れていくガソリンスタンドの光。
バックミラーに映る、さっきまで抱きしめていたはずの誰かの顔。
でもそれが現実だったのか、映画だったのか、夢だったのか、だんだんわからなくなっていく。

ここで重要なのは、彼女たちが“安全なセクシー”をやっていないことだ。
このEPのセクシュアリティは、広告のように清潔ではない。
TikTok的にかわいく編集された自己肯定でもない。
もっと危ない。
もっとLynch的だ。

David Lynch映画のヒロインたちがそうだったように、ここで鳴っている女の子たちは、いつも暴力的な世界の中にいる。
でも、その暴力からただ逃げているのではない。
むしろその暴力的な世界の裂け目の中で、性のエクスタシーだけが、この世界を別のものへ変形させる唯一の通路であるかのように、そこへ向かっていく。

だからGirlfriend, Wifeの歌詞は、単なる恋愛の記録ではない。
全部がロードムービーの断片だ。
誰かに会う。
誰かを誘惑する。
誰かに意地悪をする。
誰かに見られる。
誰かを置いていく。
でも本当は、相手なんて最初からいなかったのかもしれない。
いたのは、自分がスターになる夢を見ている自分だけだったのかもしれない。

『God Made Me A Star』。

Girlfriendでもなく、Wifeでもなく、Loverですらなくなった女の子は、最後にStarになる。
でもStarになるということは、救われることではない。
むしろ、夢のスクリーンの中へ閉じ込められることだ。

だからラスト曲「God Made Me A Star」のシューゲイザーなギターのノイズは、ただの音響的な高揚じゃない。
あれは、物語の終わりではなく、現実の輪郭が溶けていく音なんだと思う。

ギターが歪む。
声が滲む。
メロディが白く飛ぶ。
それまでロードムービーとして走っていた景色が、最後に光の膜になって、主人公の身体を包み込んでいく。
Girlfriendでもない。
Wifeでもない。
Loverですらない。
ただ、Starになる。
いや、Starになるというより、夢そのものの側へ吸い込まれていく。

ここで思い出すべきは、もちろん『Twin Peaks: Fire Walk with Me』のラストだ。
Laura Palmerが、あの地獄のような暴力と欲望の迷宮の果てに、赤い部屋の光の中で、笑いながら泣くあの瞬間。
救済なのか。
破滅なのか。
夢なのか。
死なのか。
誰にもわからない。
でも、現実の暴力の中では決して得られなかったエクスタシーが、最後にだけ、あの異界の光の中で訪れる。

女の子は、暴力的な世界の中で、どこまで夢を見ることができるのか。
性は、その暴力に飲み込まれるだけなのか。
それとも、性のエクスタシーだけが、暴力の世界から夢の世界へ抜けるための最後のドアなのか。

『God Made Me A Star』は、GirlfriendでもWifeでもない女の子たちが、Loverという名前を失ったまま、暴力的なアメリカーナの夜を走り抜け、最後にDavid Lynch的な夢の光へ同化していくEPだ。

これは恋愛ではない。
これは結婚でもない。
これは自己肯定でもない。

これは、性的白日夢がポップソングの形を借りて燃え上がり、最後にノイズの中で天使のように消えていく、2026年のFire Walk With Meなのだ。

全てのおんなのこ達必聴の傑作です!!!!!

2026年6月28日

Posted by nolongerhuman