ルカ・グァダニーノとバロウズ! 映画版「QUEER(おかま)」はパパ活民の孤独を救えるのか?

2024年11月22日XR映画レビューQUEER, バロウズ, ルカ・グァダニーノ

当アカウントは日本でも大ブレイクしたド傑作「CALL ME BY YOUR NAME」をいち早くお伝えして
ルカ・グァダニーノ版「サスペリア」についても最もDEEPな考察をしてきましたが

もうこれは反則でしょ(号泣)なシニードオコーナーによる伝説的
NIRVANA「all apologies」のカバーがFEATUREっていうところで監督のモチベの高さが爆発してるわけですが

ルカ・グァダニーノ監督によるウィリアム・S・バロウズの「おかま」原作とした
新作「QUEER」のTRAILERを見ての誰も言わないであろう雑感を書かせてください!!!

映画史的に俯瞰すると、これはずーーーっとお伝えしてることですが
根本的に「裸のランチ」以降のバロウズ作品は、20世紀的映像作品を志すような人々達は
通過儀礼として必ず読まなければ!なマスト作品という(特に海外では)「踏み絵」的なテキストで。

でも、これまた当ブログでずーーーっとお伝えしてますが
その時期のバロウズ作品は小説技法史の伝説になっている「カットアップ」によって
書かれていて、そのココロは

「物語なんて死ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そんなモチベなんでそりゃ「物語映画」で扱えるはずがない・・・(泣)

だから1960年代から今まで60年以上、

バロウズ的なもの

を映像化する試みは全て!失敗してきました・・・・・・・

そうした映画史を踏まえたうえで、満を持してルカ・グァダニーノが原作として選んだのが「おかま」

1980年代に出版されてからこの作品にはもーーーーーーーー死ぬほど様々な考察・解釈がなされているわけですが

2024年の「今」の視点からこの「QUEER=おかま」の主題とは何か?といえば

これは間違いなく

「パパ活・援助交際的関係性における途轍もない孤独」

でしかないです。

色々といわれてるけどこの「おかま=QUEER」の全編を覆う、途轍もない

「孤独」

っていうか

「ボクはキミと愛し合ってセックスしたい、でもキミはボクと愛のあるセックスをしてくれない」

という出版されてから40年以上だった今、これは何故か"あの"性愛肉食系"&"ドラッグ系"だった
村上龍先生の近年の作品にもダダ洩れってる

果てしのない中年・老年男子の性的孤独

を描いた作品が「QUEER=おかま」であり

作品内におけるそんな性愛的・パパ活的孤独を最も象徴してるのが
このTRAILERのラストカットにも、そしてポスターにも採用されてる

「ベッドで交差した(しなかった)足」

なわけです。(是非原作をお読みください)

昨今でそうした「孤独」は

「自業自得」

として最も冷笑される「みっともなさ」の筆頭としてやり玉に上げられてるわけですが

僕はそーいう人々は「性欲」が持つ悪魔的実存を甘くみすぎていると思うし

そーいう人々は男性が、そして女性が背負い続けてきた

「生と聖と性」

という十字架の存在を知らない浅はかな人達だなぁーと思います

映画史的には、そんな中年・老年期のおける「死に至る性的孤独」を描いたのは

ルキノ・ヴィスコンティがビョルン・アンドレセンへの性欲だけで作り切った

「ベニスに死す」だけですが

ルカ・グァダニーノは「ベニスに死す」公開から50年
変容し、そして今や地獄化した、そんな

圧倒的性的孤独

をどう映画化しているんだろう???

そして本日(11/22)ルカ・グァダニーノディレクションによる本作に出演もしてるOmar Apolloの「Te Maldigo」のMVが解禁!!うわーーエロッッ!!傑作!!!

2024年11月22日QUEER, バロウズ, ルカ・グァダニーノ

Posted by nolongerhuman