「泥棒男爵」か「産業政治家」か? ピーター・ティールとイーロン・マスクを徹底考察!!

その他

何度も今最も「POP」なのはポップミュージックと並んで、同じ"P"なポリティカルイシューだと
書いてきましたが、そんな中でも結構、洋楽・邦楽的な括りでいうと
「再配分」がメインテーマとなってる邦楽=日本のPの方がPOPじゃん!!だったんですが
たまたま、この二つのめちゃくちゃ面白い動画を見ましたッッッ!!

一つは ピーター・ティールが自らがゲイであることを共和党大会で高らかに宣言して以降の

政治信条の根本にある「カウンターエリート」とは何か?について語ったこのポッドキャストと

ティール以上にワケワカな「政治とイーロンマスク」について
本人に何度もインタビューを行ったジャーナリストが赤裸々に語ったこのポッドキャストが面白すぎて

これらを見てよーーーーやく、

あーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

ピーター・ティールとイーロン・マスクの「トランプ的アメリカ政治」への関わり方について
よーやくわかったぁーーーーー!!となりました。

この「億万長者の起業家と政治」の関係性って全然新しいことじゃなくて

もう100年以上言われている

「泥棒男爵(Robber Barons)」か「産業政治家(Industrial Statesmen)」か?

つていう政治的フレームのアップデート版なのかーーーと

1. 「泥棒男爵(Robber Barons)」とは?

19世紀末から20世紀初頭のアメリカでは、巨大企業の創業者たちが国家を支配し、強大な富を築きました。その中で、公共の利益よりも私利私欲を優先し、不正や独占を利用して富を築いた 企業家が「泥棒男爵」と呼ばれました。

で既にピーター・ティールとイーロン・マスクはこのRobber Baronsであるのでは?ということを
ノーベル賞受賞者がいっていたりしますが

2. 「産業政治家(Industrial Statesmen)」とは?

「産業政治家」とは、単なる金儲けを超えて、国家の発展や社会の発展に貢献した経済人を指します。泥棒男爵と違い、公共の利益を考慮しながら、産業の発展を進めたと評価される 企業家がこれに該当します。

100年前の「財閥資本家」時代との酷似

イーロン・マスクやピーター・ティールが、政治家に代わって国家を動かそうとしている状況は、19世紀末から20世紀初頭のアメリカに存在した「財閥資本家(Robber Barons)」の時代と非常によく似ています。

当時の超富裕層たちは、国家の政策に強い影響を持ち、選挙を通じた民主的な統治のプロセスを飛び越えて、アメリカの経済・政治・社会のあり方を決定していました。これが「新たな形で現代に再来している」と言われています。

財閥資本家(Robber Barons)の時代
19世紀後半から20世紀初頭のアメリカでは、一部の実業家が異常なまでの影響力を持ち、国家の政策や社会の方向性を決定していました。

あまりにもアメリカ史全体すぎて、どひゃーーーーーだったんですが
なるほどね!!! ピーター・ティールもイーロン・マスクも基本的には「新しい財閥」なんだ!!と

なぜピーター・ティールとイーロン・マスクは政治にコミットするのか?

1. ビジネスと政策の影響

起業家にとって、政府の政策や規制は自社のビジネスに直接的な影響を及ぼします。特にテクノロジーや金融などの分野では、政府の介入や法規制が競争環境を大きく左右します。

ピーター・ティール(PayPal創業者、Palantir共同創業者):彼は政府の監視技術や軍事技術への関心が強く、政府との協力を深めることでビジネスチャンスを拡大してきました。Palantirのような企業は国家安全保障や情報戦に関わるため、政策に影響を与えたいと考えるのは自然な流れです。
イーロン・マスク(Tesla、SpaceX創業者):電気自動車(EV)産業や宇宙事業は、政府からの補助金や規制緩和が重要です。特にEV市場では環境規制が直接的に影響を与えるため、政治的な影響力を行使することは経営戦略の一環となっています。

2. イデオロギー的な信念

多くの成功した起業家は、自らの成功体験をもとに「政府の介入を減らすべき」「自由市場を重視すべき」といった強い信念を持つことが多いです。

ティールはリバタリアン的な思想を持ち、政府の介入を最小限にすべきと考えています。彼はドナルド・トランプを支持し、共和党の政策に大きな影響を与えようとしました。
マスクは自由主義志向が強いものの、特定の政党に一貫して肩入れするのではなく、テクノロジー発展に最適な環境を求めて政治的な発言を行っています。最近では「反ワクチン」「反検閲」といった立場を強め、右派寄りの発言が目立ちます。

3. 社会への影響力の拡大

超富裕層の起業家は、単なるビジネスパーソンではなく、社会に大きな影響を与える「思想的リーダー」としての役割を果たすことが増えています。政治活動は彼らのブランド価値を高め、支持者を増やす手段ともなっています。

ティールはシリコンバレーの保守派の中心的存在として、影響力を強めています。彼はトランプ政権の助言者的な立場を取ることで、政策決定に関与しようとしました。
マスクはTwitter(現X)を買収し、言論の自由を強調することで、政治的議論の場を提供しながら自らの影響力を最大化しています。

4. 国家レベルのプロジェクトへの関与

ビジネスが特定の国家プロジェクトと結びつくと、政治的な関与が不可避となります。

マスクのSpaceXはNASAや国防総省との契約を持つため、米国政府との関係を重視する必要があります。さらに、彼のStarlinkはウクライナ戦争でも使用されており、国際政治にも関与しています。
ティールのPalantirは政府の諜報機関や軍と密接に関わるため、政治とのつながりを深めることが戦略的に有利です。

5. 長期的なビジョンの実現

起業家はしばしば「未来の社会をどう設計するか」に関心を持ちます。

ティールは「シンギュラリティ(技術的特異点)」や「不老不死」に興味を持ち、政治的にこれらの研究を推進できる環境を作ろうとしています。
マスクは火星移住計画やAIのリスク管理に関心を持ち、政策レベルでの議論に介入することで、自らのビジョンを実現しようとしています。

決して「政治家」にはならないのはどうなん???

僕がピーター・ティールとイーロン・マスクが「ズルい」な思い、だから本当は「POP」であるはずの
彼等がいまいちポップスターとしての面白みに欠けると思うのは

1. 彼らは政治家ではないが、政治に影響を与える

イーロン・マスクやピーター・ティールは 政治家のように権力を持ち、政策に関与している のに、正式に選挙を経て公職に就くことはありません。

✅ 政治的な影響力を持っている

マスク はTwitter(X)を使って世論を動かし、政治家と同じように影響力を行使している。
ティール はトランプを支援し、共和党の候補者を資金的にバックアップすることで、間接的に政治を動かしている。
❌ しかし、選挙で選ばれてはいない

彼らは政治家ではないので、選挙で落とされる心配がない。
政治家のように責任を負う必要がなく、失敗しても辞任する必要がない。
➡ 国民は彼らに対して「投票で審判を下す」手段を持たない。 ➡ それなのに、彼らは政治家以上の影響力を持つことができる。

2. 選挙を避ける理由:責任を回避できるから

もしマスクやティールが正式に政治家になれば、国民の監視や批判、政策の責任を負う必要が出てくる ため、彼らはそれを避けようとしている可能性があります。

✅ 政治家にならないメリット

選挙に出れば国民の支持を得る必要があり、思い通りの発言や行動ができなくなる。
政府の役職に就けば、ルールや制約が増え、自由に動けなくなる。
政策の失敗があれば、責任を取らなければならない。
❌ 「影響力はあるが、責任は負わない」ポジションを確保

マスクはX(Twitter)を使って政治的な議論を誘導 しながら、正式な公職には就かない。
ティールは政治家を支援する裏方に徹することで、自分は審判を受けない。
➡ 「俺たちは単なるビジネスマンだ」と言いながら、実際には国家の意思決定に影響を与えている。

3. 超富裕層が「影の政府」と化している?

この状況は、民主主義のプロセスを経ずに権力を握る「影の政府(Shadow Government)」のような構造に近いと言えます。

昔の「ロックフェラー財閥」や「JPモルガン」のような財閥資本家が国家を動かしていた時代と似ている。
現在の「テクノクラート(技術官僚)」としての超富裕層が、政治家を操っている。
特にティールのような人物は、「政府は無能だから、我々が国家の未来を設計すべきだ」と考えている節があります。

➡ 結果として、「国家の方向性を決めるのは選挙で選ばれた政治家ではなく、超富裕層の意志になってしまう」という危険性が指摘されている。

4. これに対する批判と反発

当然ながら、こうした動きには大きな批判もあります。

🛑 民主主義の否定

「政治の決定権は国民の手にあるべきなのに、金持ちだけが政策を決めるのはおかしい」という意見。
一般市民が彼らに「ノー」を突きつける手段がなく、不公平だという批判。
🛑 国家の私物化

「民間の超富裕層が国家を自分のビジョンの実験場にしている」という指摘。
「金がある者が政治を動かせるなら、それは民主主義ではなく、寡頭政治(オリガルヒア)だ」という懸念。
➡ 結果として、政府や議会が「超富裕層の影響を抑えるための規制を強化すべきだ」との声も出てきている。

5. 結論:「審判を受けない政治家」という存在

マスクやティールは 「俺たちは政治家じゃない」と言いながら、政治家以上の権力を持つ という、極めて特殊なポジションにいます。

選挙に出なくても、政治を動かせる。
公職に就かなくても、国家の未来に影響を与えられる。
それでいて、国民の審判を受けなくて済む。
この状況が続けば、「民主主義は名ばかりで、実際には超富裕層が世界を動かしている」 という状態に近づいていく可能性があります。

➡ このまま彼らが影響力を強めるのか、それとも政府や社会が「超富裕層の政治介入」を制限するのか、今後の展開が注目されるところですね。

このあたりがイマイチ、ピーター・ティールとイーロン・マスクがメディア的な「ネタ」としては取り上げられているけど
本質的な「POPNESS」の在り様において彼等は根っこの部分では「ビジネスマン」でポップスターじゃないなぁーーー
それって結局、陰謀論フェチの方々が大好物な「財閥政治」のアップデート版ってだけで
それが小説「1984」で描かれたようなSF的ディストピアに直結するとは現時点では思えない
と感じるところなんです。

でーーーーーーーーーーーーーーーーー!!こういう深堀りをしだしたら俄然、USのポリティツクが面白くなっちゃって

明日の第二弾へ続きます!!!明日はトランプの次のアメリカ大統領は誰だ?

ピート・ブティジェッジとJ・D・ヴァンスの日本では全く書かれていない本質を考察させていただきまっす!!

Posted by nolongerhuman