メンストラルヒップホップという衝撃 Princess Nokia傑作ニューアルバム「Girls」が経血で描く自画像とは?
こーーーーーれは凄い・・・・・・・・・・・・
もうこのジャケだけで2025年を代表する一枚は確定ですが

ほとんど「メンストラルヒップホップ(月経HIPHOP)」という新ジャンルを作り上げてしまったといっても過言ではない
Princess Nokia様のニューアルバム「Girls」が大大大傑作!!!!
そしてこの作品の世界線はLYNCHANでもあり
これまでこの作品のテーマとなっている「PSYCHOTIC WOMAN的血の祝祭」について
日本で最も書き続けてきた僕以外

解説・考察・レビューできる人間はいないと断言できてしまうので超ーーーーーーーーーDEEEEEEEEEEEEEPレビューいきます!!!
「Period Blood」という血の祝祭
I like period blood, I think it’s sexy
Diva cup in my guts, my bed sheets kinda messy
I’m a poisonous drink like Belladonna
There’s a big, big difference from witches and snake charmers
I kill mysеlf, quantum leap into the future
Jumping timelines and changing my reality
Light and dark, good and evil, picture of duality
Yin and yang, man and woman, hot and cold
I’m thirty-three, sixty-nine, a hundred years old
(from Period Blood)
この曲は、文字通り「生理の血=period blood」をモチーフにしている。
だが、彼女にとってそれは恥や不快の象徴ではなく、生命と魔力の象徴なのだ。
Princess Nokiaはこれまでも“Brujas(魔女たち)”や“Sugar Honey Iced Tea”などで、
自らを「witch(魔女)」や「divine feminine(神聖な女性性)」として描いてきた。
“Period Blood”は、その系譜の中で最も肉体的・儀式的な曲だ。
彼女の歌詞には、「血」が汚れではなく、魔法の源泉として描かれる。
この曲での“period blood”は、
社会が忌避してきた女性の身体的現象
古代宗教においては生命の循環と再生を意味する神聖な液体
として再定義されている。
彼女はその血を「恥ずかしいもの」ではなく「誇るべきもの」「呪文のインク」として使う。
つまりこの曲は、女の子であることそのものを魔法に変える儀式なんだ。
“Period Blood”は、社会が長く隠してきたタブーを、
「詩的素材」として再起動させるアクションでもある。
たとえば、
「I paint my lips the color of my womb.」
(私は自分の唇を子宮の色に染める)
この一節は、血=美=命を連結させる圧倒的な逆転のメタファーだ。
それは性の解放でもあり、自己の身体を取り戻す神話的行為だ。
BLUE VELVETで召喚される映画史上の「PSYCHOTIC WOMAN」達
“Blue Velvet”はタイトルからしてデヴィッド・リンチ的世界観を連想させる。
青いビロード——それは「上品さ」と「傷を覆い隠す柔らかさ」。
この曲でPrincess Nokiaは、自らの幼少期のトラウマや、性的被害、失われた純潔の感覚を描く。
だからキャッチーなのでブルーベルベットっていうタイトルですがリリックの内容からは「Twin Peaks」しかも映画版の「Firewalk with me」をリファレンスしています
歌声は繊細で、まるで遠い記憶を水の底から語っているよう。
彼女は過去の痛みを直接的に暴くのではなく、
「青のヴェール」で包みながら再構成する。
ザイラ・ジャネックが書いた『House of Psychotic Women』は、ホラー映画に登場する
“美しく壊れる女たち”
を通して、女性のトラウマ・欲望・アイデンティティを自らの記憶と重ね合わせた黙示録だった。
Nokiaはこの書を、まるで呪文のように引き継ぐ。
“Blue Velvet”の彼女は、リンチのドロシーでもあり、ポランスキーのキャロルでもあり、ラース・フォン・トリアーのシェリーヌでもあり
月経を知らずに血を流すキャリーだ
そして血を流すかわりに、青いベルベットの下で微笑む。
その笑みは世界への反抗であり、
「壊れていてもまだ女である」ことの宣言だ。
Nokia的“女の子神話”の再構築
“Blue Velvet”は「痛みを隠す女の子」、“Period Blood”は「痛みを力に変える女の子」。
そして『Girls』というタイトルは、この両者の連続体を意味している。
つまり——
「女の子であること」は、永遠にトラウマと祝福のあいだを往復する呪文である。
Princess Nokiaはその往復運動を、青と赤の二色で描き切った。
しかもこの「Girls」の凄みはそんな聖と生と性を完全にCharlie XCXの「Brat」ばりの
INDIE SLEASE系死ぬほどかっこいいTRACK上で露わにしてしまった事
アルバム中スキットとして挿入される「Girls FM」でNokiaは自らを「WItch(魔女)」と名乗り
そしてその瞬間、まるでDavid lynch作品のヒロイン達のように永遠のノイズの中へと溶け込んでいく
WITCH HIPHOPは死なない。
なぜならそれは、すべての女の中で毎月、蘇り血を流すから。
トータルアルバムとしてもHIPHOP史に残る凄まじい傑作だと思います。












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