KAWAII革命という十字架 道重さゆみ 芸能界引退を発表
これは日本のアイドル史における一大転換期になると思います。
吹き荒れる「KAWAII」アイドル旋風(それが一般化したものなのか、SNS利用によるPR戦略の
コスパのよさによってHYPE化されたものなのかはさておき)の中
彼女自身はそうした事態を全く考えてなかったと思いますが
図らずも
「ワタシは可愛い」
を連呼する事によって成立する
呪文系アイドル
っていうかもっとはっきり言っちゃえば、「自己啓発」系に詳しい方々は既にお分かりのように
現在の「わたしはKAWAII」連呼による
引き寄せの法則系アイドル
の
オリジンともいえるような、これもまたはっきりいいますがアイドル史においては
「悲劇のアイドル」
といってもいい彼女の引退宣言はアイドル史における途轍もない転換点だと思います。
選ばれてあることの恍惚と不安と二つ我にあり
この10年近くの所謂「地下アイドル」時代によって
この大原則は全く不問になってしまいましたが(泣)
アイドルである
ということは基本的に
「自らの選択以外」
選ばれるという偶然性、その奇跡
「運命」
だけがアイドルを生むことができるんですね。
自らの「努力」みたいな
某少年マンガ誌的だったりアスリート的な
物語性
から逃れる事ができる
これは僕がアイドルテキストを書くとき常に参照していますが
そうした男子的物語性を完膚なきまで破壊した
「おんなのこ映画」の最高傑作である「ひなぎく」のように
「想い」だとか「物語」だとか「努力」とか「自我」だとか
そうしたおとこのこ的世界をぶっ壊す、究極に「POP」な存在を体現したもの、それが
アイドル
なんです。
道重あゆみが生み出してしまった「自己啓発系引き寄せアイドル」の罪
引き寄せの法則は、自分が考えたり感じたりすることが現実になるという考え方だよ。たとえば、楽しいことを考えていると楽しい出来事が起こりやすくなるんだ。逆に、嫌なことばかり考えていると嫌なことが起きやすくなると言われているよ。だから、「こうなったらいいな!」と前向きな気持ちで思うことが大事なんだ。笑顔でいると、いいことがどんどん引き寄せられるかもしれないね!
でーーーーもう「アイドル」という本来は奇跡の体現であったポップフォーマットでさえも
信じる事ができなくて
だってそんな「運命」とか「奇跡」を「信じる」なんてコスパが悪いっすからね(泣)
まるでっていうか完全に自己啓発的、その究極のカタチである「引き寄せの法則」的
「ワタシが思えばワタシはアイドル」
っていう中々にシャバい状況が2025年のJPOPにおける「アイドル」の現在位置であり
何度も繰り返しますが、本人は絶対にそう思っていないんだけど
そんな、今のアイドル状況を2019年に予言して完膚なきまでに破壊した
「無敵の人3.0」で描いたような
「アイドルという名の地獄」
彼女自身の心のなかに潜む「修羅」をポップコンテンツとして「反転」させた"ネタ"だったはずの
「ワタシは可愛い」
が、アイドルって「願えばなれるんだ」
という道重さゆみの「修羅」とは完全に真逆の免罪符としていとも簡単に使われてしまう事
このとてつもない「地獄」は道重さゆみを確実に蝕んだと思います。
だって彼女は一貫して
「ワタシは偽物」
であり
「アイドルであることが正しい」
でも
「わたしはそうではない」
という「絶望」を表現していたおんなのこだったんだから。
ジ・エンド・オブ・アイドル
このアイドル史における地下アイドルの10年間とは
マネタイズと「運命という過酷」を信じる事ができない
それはイコール
「ほんとうのアイドルって何??」
という命題を道重あゆみのように吐くほど突き詰めて考える事を放棄した
卑怯者たちによる卑怯者たちの自己啓発セミナー
と化した地獄の10年だったと思います。
そしてそんな卑怯者たちによってキリストのように祭り上げられてしまった
道重あゆみが遂にそんなウソにまみれたアイドル時代を自らの「(アイドルとしての)死」によって断罪する
In Heaven
Everything is fine
In Heaven
Everything is fine
In Heaven
Everything is fine
You got your good thing
And I’ve got mine
このタイミングでの引退が持つ意味は日本のアイドル史において途轍もなく勇敢な行動だと思います
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