遂に唄われたラブソング!! 傑作 SOFIA ISELLA 新作EP「Something is a shell」考察・レビュー!

最新洋楽新譜情報SOFIA ISELLA

これまでにもとにかくスゲー!!!!途轍もない才能ッッッ!!!!と書きまくってきましたが

SOFIA ISELLAの新作EP「Something is a shell」がまたまたまた大傑作!!!超ーーーーーーーーーー深掘りレビューです

SOFIA ISELLAによるPSYCHOTIC WOMAN劇場

これまでの彼女の作品レビューでも何回も言及してきましたが
SOFIA ISELLAの作品は基本的にいまだ日本では未翻訳の傑作映画史本
「House of Psychotic Women」でリストアップされた
PSYCHOTIC WOMENモチーフで構成されてきました

だからそのものズバリ「HouseofPsychoticWomen」という曲もリリースしてるEthel Cainと近いわけですが

でも決定的に違うのはSOFIA ISELLAの方が「演劇性」が高くて
これまでのほぼこの新作を含めて三部作といってもいい

「I CAN BE YOUR MOTHER」EP

「I’m camera」EP

これまでのEPはEP毎の一幕もの演劇構造になっていて
血しぶきと憎悪と神とセックスが混然一体となった1960年代から70年代の
「状況劇場」や「天井桟敷」的世界観が現代的にアップデートされたものでした

そうした基本構造は「Something is a shell」でも変わらないどころか
これまで以上にその演劇性が曲のカタチにまでなった一曲目の「Numbers 31:17-18」をはじめ

最初に張った「The Chicken Is Naked and Afraid」のMVは正に「ザ・PSYCHOTIC WOMEN映画」になりとますます先鋭化してるんですが

今回メチャクチャ驚いたのはラストの曲「Evergreen Soldier」でこれはほぼ初といってもいい「ラブソング」なんですよ!!
しかも死ぬほどストレートな・・・・・・・・・

「Evergreen Soldier」という奇跡の初恋ソング

Sofia Isellaは、ずっと遠回りをしていたのだと思う。
血を流し、神と罵り合い、暴力の気配をまとい、セックスと憎悪と終末のイメージを振り回しながら、彼女は世界と戦っていた。
だが本当は、あれはすべて“攻撃”ではなかった。
もっと切実で、もっとみじめで、もっと神聖なもの──たったひとつの初恋を、この世界の汚さから守るための防衛線だったのだ。

「Evergreen Soldier」には、その防壁としてのSofia Isellaがいない。

ここには、これまで彼女の楽曲を駆動させてきた血も、神も、暴力も、セックスも、憎悪も現れない。
いつもの彼女を形作っていた劇薬が、驚くほどきれいに抜け落ちている。
では何が残るのか。答えはあまりにも残酷だ。ひとりの少女が、15歳のときに抱いた初恋の記憶だけである。

それは彼女のキャリアにおいて、ほとんど事件と呼んでいい瞬間だ。
なぜならこの曲は、これまで“表現”だと思われていた彼女の過激さの、
そのさらに奥に隠されていた動機を、ついに白日のもとに晒してしまうからだ。

彼女は世界を憎んでいたのではない。世界に壊されるにはあまりにも大切すぎる記憶があっただけなのだ。
彼女は神を呪っていたのではない。祈っても戻らないものの輪郭を、呪詛によって逆説的に保存していたのだ。
彼女は挑発していたのではない。震えていたのだ。

Late that night I played your home state /
I sing songs that are baked with your name /
I’m on stage next door, I’m just passing through /
Telling strangers all about you

ここで明かされるのは、彼女がなぜ歌うのか、そのほとんど告白に等しい核心である。

彼女は名声のために歌っているのではない。
世界征服のためでも、自己表現のためですらないのかもしれない。
彼女は、もう戻らない誰かを世界のなかに生かし続けるために歌っている。
見知らぬ他人たちに向かって、たったひとりの“あなた”のことを語り続けるために、ステージに立っている。

Goodbye, evergreen soldier, Dew /
All the strangers are singing about you

「Evergreen Soldier」は“初の純粋なラブソング”である以上に、彼女というアーティストの起源そのものを暴いてしまった曲だと言える。

血まみれの美学の奥に、ほんとうは15歳の恋が封印されていた。
世界への罵倒の奥に、たったひとりへの呼びかけがあった。
神への悪態の奥に、救われたかった少女がいた。

「Evergreen Soldier」は、Sofia Isellaの優しさが初めて剥き出しになった曲だ。

Sofia Isellaはずっとこの歌に辿り着くために、血を浴び、神を呪い、世界を罵ってきたのだ。
つまり彼女は、ようやく“本当の自分”を解禁したのである。

そして以前お伝えしたように今年彼女は遂にデビューアルバムを出すでしょう
そのためにこの赤裸々でFragileな「Evergreen Soldier」を必要とした

ブレイクとは、技巧が届くことではない。
秘密が、世界に見つかってしまうことだ。

そして今、その秘密は歌になった。

SOFIA ISELLAは確実にポップスターになると思います

SOFIA ISELLA

Posted by nolongerhuman