KPOP第七世代?! FANATICS CIGNATURE woo!ah! BVNDIT の良曲群を一挙紹介!

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とりあえずちょっと便乗的に「第七世代」と銘打ってますが
でも2020年のKPOPガールズグループは活況でTWICEのデビューから
始まった「KPOPルネッサンス」が新しい期へと突入しているのをひしひしと感じます。

そこでこの一か月の間にも新グループの良曲が相次いでリリースされたので
それらをMVの仕上がりの観点から解説していこうと思います。

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沙奈絵ちゃん

元々KPOPの躍進の原動力になったのは
なんといってもMVの役割が強いですよね
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人間失格

このブログはKPOP各曲のMVに関しては制作者側の視点から
日本で一番詳しく解説してきたけど、今回の各グループのMVの作りも
色々な意味でおもしろいんだニャー!!

イメージカットとパフォーマンスカット

アイドル系MVの基本は唄って踊る所謂「パフォーマンス」部分と
逆に唄ったり踊ったりしない「イメージカット」の組み合わせで
構成されています。
例えばTWICEのMVで当時衝撃的だったのは彼女達のMVは
デビュー曲の「Like OOH-AHH」から「TT」までは
実はほとんどイメージカットが存在しない究極の
パフォーマンスMVで、これはJYPがいかにTWICEのメンバー
一人一人がもつ新しい時代のアイドル度の高さに自信をもっていたかの現れですし


それとは真逆に今年リリースされたセジョンの「PLANT」のMVは
1カットもパフォーマンスカットが出てこないイメージONLYで構成されていて
これはセジョンのBLUESそのものな声は楽曲の中の世界観を明確に
視覚化してしまうほど力強いものだという製作者側の自負の現れです


上記二つは極端な例ですがこの二つの要素の組み合わせ・編集の仕方の「妙」が
アイドルMVの面白さの肝なのです。

woo!ah!「우아!」恐ろしすぎるサウンドプロダクション

MV解禁時から海外のフォーラムでは
「なんだこのMIXは?ボツTAKEをアップしたの?」
「PUNKなミックスだ・・・・」
と言われていますが一瞬モニター用ヘッドフォンが
壊れた??と思ってしまうくらいの狂暴な曲のミックス・・・・
サビの所なんてほぼAMラジオばりにモノ感があって
通常ならコレ完全にミックスに失敗してるわけですが
しかし!! ここで思い出したのはガールズポップの神様
とでもいうべきフィルスペクターの「モノラルミックス」への
こだわりでした。


果たして失敗なのか?それとも「WALL OF SOUND」への
オマージュなのか??? の曖昧さがこの曲の謎の面白さなんですが
MV的にいうとかなり失敗していて(泣) 「引き」のパフォーマンスカット
二種がもちろんバリエーションをつけたかったのはわかるんですが
グリーンバック使いなのでかなりのトホホな事に・・・・・
これならネオン系LEDを使って成功してる引きのパフォーマンスカット
だけにして「寄り」のイメージカットのインサートを
多くすればいいんですが
このMV、寄りがほとんどなくて、唯一のメンバーのFACEカットの
ライティングが恐ろしい事になってしまっているのでマズいなぁ・・と。

光源をもう少しデカいソフトボックスで大きくするだけで
そこはなんとかなるのにーーー!!

こんな感じでMV的には失敗を防げるところがそのまんまになってたり
するので曲のほうも実は失敗してるだけなんじゃ・・・・と
思いつつもトラックはMOMOLANDバリに凝っていたりもしてて
woo!ah!もMOMOLAND的に化けて欲しいッッ!!と切に思うのです。

cignature「ASSA」& FANATICS「V.A.V.I. GIRL」

 

ディストートしたチョッパーベースがかっこいいcignatureも
サビのフックのリフレインがド・80SなFANATICSも
曲はあのNATUREの傑作「SOME」バリのメッチャよく出来た「バブルガムポップ」で
MVの作りも同傾向です。

そしてcignatureの方は建て込みのセットが四種類
FANATICSの方は3種類使用と最初に上げたwoo!ah!とは比べ物にならないくらい
お金がかかっているMVなんですがこの二つのMVにもそこはかとない
いい意味でも悪い意味でも「CHEAP感」が出てしまっているのは
ミドルショットのCinematographyが「緩い」からです。
パフォーマンス全体を撮ってる引きのカットはお金がかかってるだけあって
しっかりしてるんですが、メンバーのピン、新人グループアイドルのMVでは
一人ひとりのメンバーを覚えてもらうために多用される
バストショットぐらいのサイズのカットのカメラワークが平坦なので
そこで緊張感が途切れてMV自体が間延びしたような印象になって
しまっているのがこのCHEAP感の元凶で、
それを回避するにはミドルの尺をなるべく短くして寄りのカットに切り替えるか
撮りの段階で「まぁメンバーの可愛い顔がちゃんと映っていれば・・」感を捨てて
ガッチリCinematographyを押さえるか、このどっちかで間延びは無くせるんですが
そこらへんがメッチャ惜しい!!!!
実はNATUREはそこらへんしっかりしていたのに徐々にMVが緩くなってきてて
心配なんですがcignatureもFANATICSも曲はかなり仕上がってるだけに
MVも頑張って詰めて欲しいーーーー!!と。

BVNDIT 「JUNGLE」2カットだけ惜しい!!

BVNDITはこの新曲で3曲目ですし、なんといっても
前作の「DUMB」は当ブログが日本で一番詳細をご紹介している
Rigend Filmの制作MVだったりで他のグループと一緒にするのは申し訳ないんですが

 

今回のMV制作は事務所の先輩CHUNG HA様の諸作品やAPINK、ここのところずーっと
WJSNのMVも担当する"職人系"のVikings League。
ただ今回面白いのはこのMV、僕は最初見た時Rigend Film??と思ったくらい
カットとカットのトランジションとかメチャクチャRigend印の手法が多用されてるんですよね

CHUNG HA様の新曲「STAY TONIGHT」の方はRigendなのでバッティングを避けたのかもですが

ずーっとお伝えしているように現在世界中を見回しても
最も優れたMVを制作しているRigend的なMV手法が普遍化してきている事の表れで
「JUNGLE」もパフォーマンスカットとイメージカットのMIXバランス
引きとミドルと寄りのEDITのリズムともにほぼ完ぺきで素晴らしいMVなんです。
ただ!! 実はVikings LeagueのMVってWJSNの一連の作品でもそうなんですが
アレ?!?!っていうくらい「弱い」小道具をサラっと使っちゃう場合が多々あって

注意

実は上に上げた「SOME」もそれ以降のNATUREのMVは彼らが作っているんですが
小道具だけじゃなくMV自体が徐々に・・・悲しいッッ

今回のBVNDITの「JUNGLE」でもサムネにもなってる記者会見風カットのマイクと
ミドルショットで使われている手持ちのネオンLEDが何故か画的に「弱い」フツーのもので
その2カットがひたすら、ほんとーに惜しいッッ(泣)
なんか小姑的に重箱の隅を突いてるようですが、こーいった部分を強引にでも
変更できるほどプロデュースが突き詰められていった時に
BVNDITは化ける!!と思っています。

まとめ


KPOPが世界のPOP MUSICの頂点に上り詰めたのは
US HIPHOPと同じくらいSNS時代においては絶対にMVが
音楽を伝えるための最重要メディアに1980年代のMTV創世期と同じくらい
の重要度でなる!!という事に確信を持っていたからです。

このブログでは何度も何度も繰り返していますが
音楽とPOP MUSICを作る事は別個の表現活動であり
情報の再編集化の在り様を音像にしたものがポップミュージックであり
そのためには時代に置いて最も機能性の高いメディアへ
どれだけ高度な編集力を誇示できるかが重要でした。
悲しいことにJPOPはその重要性を見事にスルーしてしまい
YOUTUBEという奇跡のメディアは日本ではユーチューバー達の
放課後遊戯の場所になりました。
来月6月はTWICE、RED VELVET初のユニット曲、IZ*ONE、WJSN
そしてもしかしたらBLACKPINKまでKPOPという正しい時代のANTHEMを
鳴らす&MVで魅せる大物たちが一斉にカムバします。
woo!ah!もFANATICSもcignatureもBVNDITもお笑い界の第七世代と同じように
先行した先輩達をリスペクトしつつ、また新しい方法論で
「時代の音」を作っていけるポテンシャルを持っていると思います。
その可能性を生かすも殺すも最重要ポイントはMVの出来です。
是非こうした映像目線でもKPOPに接していただければ!!と。
今回も記事をお読みいただきありがとうございました。