ユーアービッグガールナウ 宇宙少女から宇宙美女へ。WJSN傑作「BUTTERFLY」

2020年7月12日XR脚本とKPOPBUTTERFLY, NEVERLAND, WJSN, 宇宙少女

7/10 WJSN今作で遂にフィジカル売り上げ10万枚を突破グループ結成以来初!!遂に大台に乗せました!!おめでとう!!!!

1st WIN!!6/16のTHE SHOWで「BUTTERFLY」が1st Winを獲得しました!

2nd WIN!!6/18のMcountdownで2nd winを獲得ッッ!!

この記事の内容は・WJSNが格闘し続けた「宇宙」と「少女性」というテーマ
・傑作POP ANTHEM「BUTTERFLY」から宇宙少女の第二章がはじまる

コロナ禍でリリーススケジュールがズレまくり
空前絶後のカムバラッシュとなっている2020年6月ですが
待望だったWJSN新曲「BUTTERFLY」が素晴らしいッッ!!

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沙奈絵ちゃん

今回もですが相変わらず彼女達はフィジカルの売り上げがいいですねー
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人間失格

それだけ宇宙少女には熱心なヲタの方々がついてるってことなんだけど
でもその状況からどう進化するのか?その方向性を遂に見定めつつ
あるのがこの「BUTTERFLY」なんだニャー!!

少女性×SFという実験性

WJSNはそのグループ名からも明らかですが
彼女達所属事務所のなんというか伝統的「大味」感があって
大体よく考えると「宇宙少女」ってネーミングは一体全体アリなのか??とか
デビュー時のなりふり構わない中国推しプロモーションとか
いい意味でいうとやりたいことを全部詰め込んだ
逆に言うと幕の内弁当的で方向性が見えないグループ
それがWJSNでした。

しかしI.O.Iのメンバーに決定したヨンジョンが加わり
13人体制の完全体となった2nd「SECRET」でWJSNは最初の
メタモルフォーゼを果たします。
e.oneによる変態一歩手前の複雑な楽曲構成
多くのSMエンタ系MVを手掛けるZiyong Kim監督による超絶スタイリッシュなMV
そして今も宇宙少女を担当する天才集団
FREEMINDによる完璧なコレオグラフィー
イントロのオルゴールサウンドに合わせて
まるで生命を吹き込まれた人形の様にソンソが踊り始めた時
KPOPというジャンルに初めて「NYMPHET COULTURE」に殉じた
究極のガーリー世界が誕生したといっても過言ではないくらいの
大傑作が「SECRET」でした。

そしてその少女性・NYMPHET感をそのままSNS時代のLO-FIにアップデート
するという離れ業を行った「I WISH」

残念なことに中国系メンバー参加のラスト曲になってしまったけれど
唄メロはストレートにエモいのにコード進行はスティーリーダンばりに分数コードの嵐
というとんでもないROCK ANTHEM「DREAM YOUR DREAM」

リリースする度に曲は複雑に、そして歌詞の世界観は濃密に
最初は単なる大げさなうたい文句のように思えた
「宇宙」と「少女性」が本当に融合し、まるで「花の24年組」と呼ばれた
1970年代に突然変異ともいうべきメタモルフォーゼによって
それ以降の少女漫画世界を一変してしまった萩尾望都
竹宮惠子、大島弓子といった少女漫画作家たちが描いた
少女達の心象世界がインナースペースとしての宇宙へと繋がっていく
一連のSF作品群と同じ高みで鳴っている!!
WJSNはそんな奇跡を成し遂げてしまいました。

WJSNのPOPNESSは何処だ?!

が、しかし! WJSNのそのKPOPにおいても特出した世界観は一般に受け入れられたのか??
その答えは「NO」だったと思います。
何故か? これはもうこのブログで一貫してお伝えしている事なのですが
宇宙少女においてもコンセプトとそれを演じる演者との乖離、距離感が
そのコンセプト・世界観が優れていればいるほど、聴くものを遠ざけてしまう
というPOP MUSICにおける永遠の悲劇がここでも起こっていました。
何度も繰り返しますがポップミュージックであるとは世界観を作り上げる事ではなく
演者の中に潜む世界を編集して露わにする事です。
作り上げる演劇とも違う、ただ暴露するROCK MUSICとも違う
「編集」の妙味、これによってポップミュージックは生々しいのに
どこかエセリアルな光を放つ特別な表現にメタモルフォーゼします。
この時点までのWJSNは演者と世界観がどうしても重なり合わないジレンマが・・・・
それを逆説的に証明してしまったのが次曲の「SAVE ME SAVE YOU」でした。
この曲は結成から2年半、アイドル3年寿命説といわれるKPOPにおいて
ギリギリ滑り込みで彼女達に初の音楽番組での一位をもたらしました。

この一位は中国人メンバーが抜けてしまった困難期を支えようとファンが
ひたすら団結した結果!!という事になっていますが、僕はちょっと見方が違います。
「SAVE YOU SAVE ME」がこれまでの楽曲以上に支持を得た理由、それは
ひたすらフェミニン

注意

これは柔らかな言い方にしています。何故かというと
ここでストレートなセ〇シーという単語を使うとGOOGLEセンセイから
不適切コンテンツ審査っていうのがきてしまうのですーー!!全然違うのに

な方向へ振り切ったFREEMINDのコレオグラフィーの素晴らしさのおかげだと思っています。
今までの「少女性」をある種放棄したといってもいいこのコレオを見た時
僕は衝撃を受けると同時に、あーーーーーーーー!!!コレだ!!
こっちなんだよWJSNは!!と思いました。

少女OR女性

女性であるFREEMINDにはこの時点でわかっていたのだと思います
彼女達はもう「少女」ではない。そこから新しい方向を紡がなくては
WJSNのPOP MUSICは永遠に生まれないという事が。
僕は実は宇宙少女の最高傑作、KPOP史においてもBESTの一曲に入るのは
次のLA LA LOVEだと思っています。

「SECRET」のナイーブさを取り払ってひたすら力強く「少女世界」のCOREを
打ち鳴らすような大大大傑作の4つ打ちANTHEM、そして
FREEMINDのコレオも曲の物語性をこれでもかというくらい優雅に表現した途轍もなさ!
「SAVE YOU SAVE ME」の勢いを得てこの曲も・・と思われたのに
「少女」×「宇宙」×「恋」というWJSNコンセプトとしては最高傑作のはずなのに
この曲は一位をとれませんでした・・・・・
もうおわかりだと思います。宇宙少女のホントウのPOPNESSはここにはなかったのです。
聴き手が求めている彼女達の中に潜むポップミュージック世界とは
「少女性」ではなかった。WJSNに求められていたのは「SAVE-」が
明らかにした美女集団のフェミニンさなのだ!! と僕はLA LA LOVEの結果を見て
強く思いました。それはスタッフも同じだったのでしょう。
もっと自然に、あるがままのメンバーの在り様を「音」に!
このシンプルだけど普遍のPOPMUSICの大原則。
これに沿って作られ、そしてWJSNの楽曲史上最も多数のWINを勝ち取ったのが
傑作SUMMER ANTHEM「BOOGIE UP」

聴き手の方々っていうのはやっぱり怖くて
無意識のうちにそのアーティストの何が本当であるか
そしてそのホントウが楽曲へとそのまま繋がっているかを見抜いてしまう。
このBOOGIE UPが圧倒的なPOP ANTHEMとして機能しているのは
この実は少女性でもSF的でもないWJSNのメンバー達のそのままが
音になっているから。この開放的で健康的なフェミニンさこそが
宇宙少女という演者のPOPNESSのコアだったのです。


にもかかわらずコスミックネタを捨てきれなかった制作スタッフ的には
「AS YOU WISH」でまたまた元に戻すっていう大失敗をしてしまいますが(泣)
ようやくようやく!!この「BUTTERFLY」が誕生しました。

美しい羽の行方


コロナ禍でのMV制作という事もあってか
本当ならBOOGIE UP的な解放感に溢れた外撮りの画も入れたかったはずの
MVはかなり「狭い」感じの仕上がりになってはいますが
この「BUTTERFLY」の解放感、正に翼を得て新しい世界へ羽ばたこうとする
VLIVEやバラエティー番組でメンバーが見せてくれるポジティブなVIBEを
ど真ん中から捉えた音の鳴り方はこの曲が今後のWJSNの在り様を決定づける
楽曲であることを高らかに宣言しています。
もう彼女達は「少女」ではない。美しく羽を広げた蝶へのメタモルフォーゼ。
僕等はそんな新しいWJSNの姿にまた魅了されていくのだと思います。
今回も記事を読んでいただきありがとうございました。

2020年7月12日BUTTERFLY, NEVERLAND, WJSN, 宇宙少女

Posted by nolongerhuman