処女から魔女へ・・・ GFRIEND新曲「Apple」が驚愕の”黒ミサ”ソングになった訳
「Apple」1st win!!おーーーー!!まずは7/21のTHE SHOWで「Apple」1st winおめでとうーー!!
「Apple」2nd WIN!!7/22のSHOW CHAMPIONにてGFRIEND APPLE 2nd WIN!!!
https://www.youtube.com/watch?v=djCHBb9kkJM
ネタにしてる(相対化してる)所が正にこの曲で新しいGFRIENDへ向かうっていう事なんだなぁ・・と!
ここここここれは「エコエコアザラク、エロイムエッサイム」!!
後ほど詳しく書きますが、確信犯的に1970-80年代的音像でポップミュージックという奇跡を
体現してきたGFRIENDですが、あーーー!!この手があったのか!!!
1970-80年代といえば「純情」ともう一つ「オカルト」の時代でした。
今回の新曲「Apple」、180度方向性の違う大胆なコンセプトチェンジ
と見せかけつつ実は地続きというめちゃくちゃ巧妙なプロデュースに大感激してしまったので
解説させてください。
についての記事をアップしたばかりですがヨチンちゃん達まで来ましたね
ずーーっと追っかけてるにゃけど、今回の記事と合わせてこの辺のテキストも読んでニャー!
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GFRIENDという奇跡
もうかなり前になりますがGFRIENDが何故今のKPOPにおいて「奇跡」であり
でもその奇跡はポップミュージックだけが持つ普遍的な法則によって
もたらされたものであるという事を書いたことがあります。
彼女達を一躍SNSにおけるバイラルスターへと押し上げた一本のMOVIE
そしてそこで示されたGFRIENDとは何か?という命題を正に「結晶化」したポップアンセム「ROUGH」
という流れはこのブログでズーーっと言及している
POPであることの「核」は演者の内側にあるを文字通りザ・体現したモデルケースで
初めて聞いた時そのあまりに昭和的というか1970年代的テクスチャーを持った
「ROUGH」にはほんとーーーーーーに衝撃を受けました。
もちろんそれは以前書いたJPOPにありがちなお遊び「レトロポップ」ではなく
上記したようなGFRIENDという女の子達自身を「音楽」として結晶化するなら
この音・この言葉・このコレオグラフィーしかない!!という必然性しかない
というか必然性だけでできているというあまりにもあまりにも
「正しいポップミュージック」
である事。そして正しいPOP MUSICは必然として売れるのだ。
という事実だったのです。
そうしたPOPの法則に殉じたからこそ韓国国内では
少女時代、TWICEと肩を並べるほどのビッググループにまで成長したGFRIEND
がここでまた「正しく」そしてさらに「新しい」POP MUSICを鳴らしてしまった!!!
今回の新曲「Apple」が画期的な理由はそこにあります。
GFRIENDと1970年代の深い関係性
トッドフィリップス監督が映画「ジョーカー 」を作るにあたって
1970年代の作品「だけ」を参照したように
今、2020年代にポップなコンテンツとして通用するには
1970年代というポップ史上においても非常に特異な時代
をどう対象化(=編集)するか、その方法論が最も重要となります。きしくも
これはもうこういってしまっていいと思いますが
前作「CROSSROAD」までの第二期GFRIENDはメンバーの
その「ド天然な」気質によって70年代という時代のテーマの一つであった
「VIRGINITY=処女性」を図らずも体現していました。
しかしそんな「純情」が陽だとしたら、あの時代にはもう一つ巨大なテーマが存在していました。
それが「オカルト」です。
血潮が
闇が
悪が
そして欲望が
少女達の中に潜む「魔」を呼び覚ましていくこと
つまり「処女」から「魔女」へ
映画においてその魔の訪れを決定付けたのは
なんと言っても「サスペリア」であり
この日本でも上にあげた名作「エコエコアザラク」や
楳図かずお氏の作品を初めありとあらゆる方法論によって
「魔女」が描かれ続けました。
日本のコミックにおける「魔」の最高傑作「デビルマン」が書かれたのもこの時代です
魔女がテーマとなる時代とは多くの人々が
「得体の知れない不安」
に苛まれている時代でもあります。
人々は不安の正体としてのスケープゴートを探し求め
自らの安心のために「断罪」します
処女だって???? 嘘をつけ!! そんな奴らがいるもんか
あいつらは恐ろしい魔女なんだ・・・・・
「CALL ME BY YOUR NAME」のルカ・グァダニーノ監督による
2018年の「サスペリア」リメイクは「ジョーカー 」と
同じように今の時代を不寛容と不安の時代と定義付けて
血塗れの闇から新しい「魔女」が誕生する瞬間を描き切りました
KPOPにおいてこの時代の魔女感に最もリンクしているのは
いうまでもなく(G)I-DLEの「OH MY GOD」ですが
セクシャルなメタファーの使い方
「黒ミサ」的その儀式性、全てにおいて
この「Apple」はGFRIEND版「OH MY GOD」です。
そして今回この新曲が「ROUGH」と同じくらい
とてつも無く素晴らしいPOP ANTHEMでもあるのは
冒頭にもあげたようにそのプロデュースの有りようが完璧だからです。
何故「Apple」で炎は世界を焼き尽くすのか?
このブログではお馴染みの理論ですが
多くのアイドル系コンテンツは「外側」から制作者の世界観の操り人形
のように演者を扱ってしまいます。
でも何度も言っていますがそれでは決してホップミュージックは生まれません。
演者の、その女の子達の「内側」の核を見つけ出し
それを音像化する事でしか「正しい」POP MUSICは生まれないのです。
「ROUGH」はその核をGFRIENDの稀代の処女性に求め
それを結晶化して「あえて」その後のGFRIENDサウンドを決定づける
1970-80年代サウンドへと落とし込みました。
製作陣がこのコロナ禍を待っていたとは言いませんが
100年に一度のこの究極の不安に対して何を音にするのか?
断罪しようとする不正義に対しGFRIENDが何をできるのか?
彼らが見つけたのは彼女達の中にも、というかその奇跡的な
処女性を持っていたGFRIENDだからこそその内側の奥の奥に眠っていた
「性的な魔」でした。
今回の新曲MVそしてショーケースでのパフォーマンスにおいて
シンビ&ウナは、まるであの1970年代を代表する「魔女映画」
である「小さな惡の華」のアンヌと(ブロンドの)ロールのように
完璧な魔女を演じています。
彼女達が見つけた「天国」とはどうでもいい地上の地獄を
燃やし尽くした先にある、BLUESでいうところの「CROSSROAD」の終着点
BE A WITCH,NOT BITCH
その先へ、女の子しかたどり着く事が出来ない「異界」へ・・・・・・
この「Apple」には楽曲制作に現在彼女達が所属するBig Hitの、
“Hitman" Bangことパン・シヒョク社長が満を持して参加しています。
この曲のプロデュースに氏がかけた思いの深さは
もうすでに海外のフォーラムでは指摘されているように
あまりにもあからさまな1970-80年代オマージュの「ビックメロディー」
思いっきりネタバレすればパン・シヒョクの年齢ならば
いつかはやりたかったであろうSIMPLE MINDSの「Waterfront」
そしてTEARS FOR FEARS「EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD」を
参照していることからも明らかで、GFRIENDの中に70-80年代の女の子の「魔」
を彼女達の「内側」に発見したからこそ、遂にこの「Apple」で
それを核とした楽曲をやってみたい、このコロナ禍の、この2020年代だからこそ
のGFRIENDの音楽を鳴らしたいという想いが爆発しています。
そして言うまでもなくその楽曲から立ち上がる
不穏な魔の炎
はGFRIEND自身の「内側」から世界を照らしている!!
それがこの「Apple」を比類ない傑作POP ANTHEMの高みへと至らしめている
正しいポップミュージックだけに生まれる「未来」なのです。
まとめ
ショーケースでのパフォーマンスを見る限り
シンビ嬢、ウナ嬢以外のメンバーが若干アップアップな感じもある所を見ると
この大胆な変化は一種の「賭け」でもあり
それが多くのファンに届くのか??は未知数な部分があります。
しかしこの新しい音を新しいメロディーをそして今回最も大胆で勇敢になった新しいコトバを
見る限りGFRIENDの「内部」は明らかに変わっているのです。
このセクシャルなメタモルフォーゼの行方が僕は楽しみでしょうがないです。
今回も記事をお読みいただき誠にありがとうございました。
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